【PAPER FUN CALENDAR 】Design by 白澤 真生

《カレンダーには、”めくる・ちぎる”という行動が伴います。そこをデザインできないかと考えたプロダクトです。紙の組み合わせだけで、絵柄ができるように構成し、紙の風合いや色を楽しむことができます。さらに、めくり方によって様々な組み合わせができるので、オリジナルのデザインが出来上ります。月が変わる度にどんな風にちぎるのか悩む時間が、季節などを感じている瞬間になればと思っています。》
(※デザイナーキャプションより) 


手に取った人の感性で、その人だけのオリジナルの表紙になっていく。毎月表情を変えていく、可変するデザインカレンダー。
特徴ある表情を持った色紙を月替わりで使用。
月ごとにたくさんのミシン目が施されており、どこでちぎっても自由。3か月ごとにあいた変形穴で、予期しない見え方を生み出していくのも面白い。
ちぎってしまったら取り返しはつかないため、どうやってちぎるのか、本当に悩みそう。(テープでつぎはぎするもまた一興ではある)
慎重派は下から順に様子見ながら?
大胆派は、タテにもヨコにも?
一年後の、想像の先を自らの手で生み出してく、ワクワクドキドキのまだ見ぬ未来を創るカレンダー。
撮影:吉田 宗義


<プロダクト製作の見どころ>
月ごとに特徴ある紙種や色で変化する。
その使用紙は、
1~3月 ICHIMATSU(サンライズレッド・ライトオーカー・マゼランブルー)
4~6月 レザック16(ケイコウピンク・ケイコウイエロー・ちゃいろ)
7~9月 かぐや( 下弦・三日月・たちまち)
10~12月 五感紙 荒目( きなり・緑・朱)
表紙 GLトレーシング
細かなミシン目加工はレーザーカット。抜き型や製本ミシン機でもミシン目加工は可能だが、レーザーカットでは、そのピッチ(ミシン目のカットの長さと間隔)を自由に設定できる。本プロダクトのピッチもデザイナーの設計そのままを再現。
表紙のトレーシングペーパーは必見。
通常の印刷ではトレーシングペーパーは、透けるために白インキを印刷するのが非常に難しい。(なんども重ねて印刷することで対応するなど)
それがレーザーカットで表面に微妙に熱を加えてやると(マーキング処理)白く変色させることができる。その特徴をいかして、楕円カットと同時に、文字やラインをマーキングで表現している。
最終的なカレンダー製本は、ミシン目でちぎることに掛けたミシン製本。ここにもデザイナーのこだわりとユニークさが垣間見える。